みなさん、こんにちは
スタイリストの大山シュンです。
近々発売予定の新しい本ですが、怒涛のラッシュを迎えています。とにかく朝から晩まで文字を読む数日。すっかりブログを書くのが嫌になりまして・・・(笑) ご無沙汰してしまいました。
今回もみなさんからのご質問にお答えさせていただきます。
読者の方からのご質問
最近、自分にばっちり似合う服を試着した時の感覚が分かるようになってきました。いいことだとは思うのですが、逆に本当に似合う服を探すのって大量の試着が必要で、労力が辛いです。(自分が標準体型から遠いのもあると思いますが)何かアドバイス頂けると嬉しいです。
大山シュンの回答
自分にバッチリ似合う服を着たときの「これだ!感」って、気持ちがいいですよね。よく分かります。
ファッションについて色々と学び、自分なりの試行錯誤を重ねていくと、このように「試着した時のしっくりくる感覚」というのが分かるようになります。これは誰にでも訪れるものではなく、一定量の試着と購入を繰り返さなければ、なかなかたどり着くことはないです。
それこそがおそらく「センス」なんだと思いますよ。ご質問者さんのセンスが着実に築かれている証拠です。
そしてここから先はもう大変。小さな違いが分かるから、「自分にバチッとハマる服がなかなか見つからない問題」にぶち当たるんですね、確かに。
僕もずっとそういう状況です。自分なりのこだわりもあるし、自分に似合うもの、自分が好きなものも知っている。そうなると、なかなかときめく物に出会えなくなってくるんですよね。
これはファッションだけではなくて、食事なんかもそうです。回転寿司とカウンターの寿司の違いなんて、実は知らない方が幸せなんだろうなと思うことがあります。
味音痴な僕でも、本当に美味いものに出会ってしまうと、今まで食べていたものが急に色あせて感じてくるんですよね。これは幸せなのか、不幸せなのか。よく分からない感覚です。
違いが分かるというのは実は一種の「生き辛さ」みたなものをはらんでいるだと思うんです。でもそうったものを持ち合わせながらも、「しっくりくる服」をコツコツと探していく過程にも楽しさを感じています。
僕も欲しい服なんてほとんどないです。忙しい時には週7日はセレクトショップを巡っていますが、それでも何も欲しいものが見つからない。そういう時期の方が圧倒的に長いですね。だからいつも物足りなさを感じています。
何かほしいんだけど、その「何かが」ない。この感覚、きっとファッション以外で経験されている方も多いかなと思うんですよね。
そういう時には、僕にはいくつかの対処方法があります。
まず1つ目は徹底して買わないこと。心ときめくものが見つからないうちは何も買わずにお金を貯めておくんです。僕は月に◯万円と、洋服代の予算を決めていますので、それをどんどんストックしていくんです。
で、肝心の「これは高いけど買いたい」となった時のために備えておくんですよね。こういうビビッとくるものは(なんか表現が古い。松田聖子的な・・・)そうそう見つからない。その時のためにストックしておくんです。
すると買い物の量はどんどん少なくなり、質にフォーカスをしていく。きっと今はそういう時期なんだと思います。服なんて、気に入ったものが見つからない時はまったく見つからない。でも見つかる時には、一気に、いくつも見つかる。こんな感じなのですよね。困ったことに。それに備えておけばいいのかなと思います。
自分の好きなものの外にこそヒントがある
そしてもう1つの方法です。もうご質問者さんは自分の好みも理解しているし、何が似合うのか、何が好きなのかも分かっているはずです。でもファッションには様々なアプローチがあって、自分が苦手だな〜、好きじゃないな〜と思う中にも、実はヒントがあったりするもなのですね。
たとえばレザージャケットをだったり、ビッグシルエットだったり、帽子だったり、タートルネックのニットだったり、だてめがねだったり・・・ 色々な選択肢がファッションにも存在します。
これらが苦手だな〜と思っていても、ここにあえてチャレンジしてみる。試着をしてみる。きっとしっくりなんてこないはずです。でもしっくりくるものだけを探していたら、もう同じところをぐるぐると回っているだけの状態になります。
葛西臨海公園のまぐろの水槽状態ですね。伝わるかな、コレ。
少しずつ守備範囲を広げていくんです。苦手だと思っても、その中から「好きになりそうなもの」を見つけていく。これは苦しくもあるのだけど、ものすごく楽しくもあるんですよね。
最近の僕の買い物はほとんどコレです。自分に似合いそうなもの、鉄板のものを探しても、大して変化もないし、スリルがない。だからその外に出て、自分の価値観を広げてくれるようなものを探しています。
これ、ファッションだけではなくて、他のジャンルもそうですよね。
似たようなビジネス書ばかりを読んでも、今以上の成長はたいして見込めないと思います。そこであえて他のジャンルに手を伸ばして、歴史小説を読んでみるのもいいし、子供の絵本を読んでみる。今まで触れてこなかったジャンルの中にこそ、成長のきっかけが隠れているなんてことはよくある話です。
でも、これを「辛い」と思うんだったら、わざわざやる必要なんてありません。何を着ようと自由ですから。もうこの辺りでおしゃれを磨くのを一段落して、違う分野を磨くことに時間と労力を使ってみるのもいいんじゃないかなと思います。
なんだって「楽しい」のが一番です。特に趣味だったらシンドイっていう感覚は避けたいところです。
どこまでおしゃれを磨くのか。程々におしゃれでいいのか。とことんこだわってみるのか。ここに正解はありません。どちらでも僕はいいと思っています。この辺りは質問者さんが自問自答しながら方向性を定めていくのがいいのかな〜と思っています。
まとめ
ということで、今回もみなさんのファッションのお悩みにお答えさせていただきました。
回転寿司とカウンターで食べる高級寿司。もちろん後者の方が圧倒的に美味しいけど、でもこれらはまったくの別物ですよね。回転寿司ならではのメリットは無数にあります。
好きなネタをたくさん食べて、しかも安い。そこそこ美味い。これまた最高に楽しい食事じゃないですか。そこに優劣なんて全くないんですよね。
わざわざ比べるものでもないんだな。それぞれ愉しめばいいんだな。そう思えるようになれば、自分のこだわり抜いた服も、ユニクロの服も、それぞれの良さを活かしながら、ファッションが楽しめるのかなと思います。
それではみなさん、今日もファッションをお楽しみください!
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スタイリスト。メンズファッション研究家。株式会社SO styling代表取締役。2019年にスタートしたYoutubeチャンネルは登録者5万人を突破。日本最大級のファッション学習サイト「メンズファッションスクール」を主宰。おしゃれが苦手な大人の男性に「おしゃれの方程式」を分かりやすく伝えている。これまでにファッション関連の書籍を7冊発売。累計12万部突破。NHK「おはよう日本」フジテレビ「めざましテレビ」読売新聞、朝日新聞、日本経済新聞他、様々なメディアにも出演。趣味は旅とランニング。プライベートでは男の子と女の子、二児の父。
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