みなさん、こんにちは!
スタイリストの大山シュンです。
先日、「ZOZOSUIT、早速使ってみた!」という記事を書きましたが、みなさん読んでいただけたでしょうか? 非常にたくさんの方に読んでいただき、ZOZO社長の前澤さんからもコメントをいただきました。
http://zozo.jp/zozosuit/
ZOZOSUITというのは、上の写真のように、ウエットスーツのような形状をしたもので、こちらを着用した状態でスマホで様々な角度から撮影すると、全身の細かなサイズが一瞬で採寸されるというものなんですね。非常に画期的です。
この採寸した自分の数値を元に、ZOZOさんがオリジナルで販売している衣服を自分ぴったりサイズでセミオーダーできるのがまたスゴイところですね。僕も採寸と同時にZOZOオリジナルのブルージーンズと丸首Tシャツを早速注文しました。
http://zozo.jp/pb/
注文から3日が経ち、ZOZOから荷物が届きました。きっと息子用に買ったビルケンシュトックのサンダルが届いたんだろうな〜なんて思って開封したら、注文したばかりのZOZOオリジナルのジーンズとTシャツが入っていたんです。マジですか、早すぎないですか、なんかちょっと怖っ、っといた不思議な感覚に襲われました。
どういう仕組なのかはちょっと分かりませんが、僕の身体の数値に合ったジーンズやTシャツを「セミオーダー」しているような感覚だったので、到着まで1ヶ月くらいは掛かるんだろうなと勝手に思い込んでいました。
というのも、スーツのセミオーダーのイメージが頭にあるので、大体それくらいは掛かるもんだろうなという固定概念があるんでしょうね。それが3日くらいで届いたので、驚きと同時に怖さを感じたわけですが・・・
あまりの到着の早さに・・・
あまりに早かった到着、嬉しい半面、少し複雑な気持ちになりました。僕の勝手なイメージでは、採寸したデータを元に僕だけのオリジナルの服が作られるように思っていたんですが、それだったら流石に3日は早すぎないかな?と。
元々いくつかのサイズが用意してあるんじゃないかと、ふと感じてしまったわけです。この時点で少し特別感が薄まったというのが率直な感想です。どういう仕組みなのかよく分かりませんので、なんとも言えませんが。
でもそういったことは、実はそんなに重要なことじゃなくて、実際に着てみて、満足するものだったら全然OKなわけです。ということで早速着用してみました。
ZOZOのワンウォッシュジーンズ
まずはジーンズから。僕はワンウォッシュの濃い目の色味のジーンズを選びました。注文の際に、裾の長さやウエスト、ヒップなどの細かなサイズのカスタマイズが可能なのですが、今回は裾丈だけ、僕が好きな「若干短め」に仕上げました。(ー2センチを選択しました) あとの数値はそのままです。
仕上がりはというと、丈の長さはバッチリに上がってきました。一方でウエストはややゆるい感じです。僕の好きなフィット感よりも2〜3センチゆるかったですね。ここもカスタマイズした方が良かったかもしれません。
全体的なシルエットは、スキニーパンツほどのピタピタ感はなく、それでいて無駄のない美しい仕上がりになっていました。この点は満足度は高いです。生地の質感は、そうですね、ものすごく良くもなければ、安っぽいということもありません。ユニクロと比べても、そんなに大きな違いは感じられませんでした。
でも価格帯はユニクロとほぼ同じなんですよね。それでいて、自分だけのサイズで、このようなジーンズが仕上がると考えると、遥かにコスパは高いと思います。
ここからは好みの問題です。率直なところ、スタイリストとして様々なジーンズを実際に履いてきた特殊な経験の持ち主としては、これがベストなジーンズとはなかなか言えないです。生地の質感ももっと良いものを今まで体感してきましたし、フィット感ももっと理想的なものは、既製品の中にもいくつかあります。
個人的にはユニクロのスキニー27インチの方がシルエットやフィット感は好みです。それに比べるとややゆるさを感じるフィット感でした。ただし、これは一部のファッション好きのかなり偏った見解です。一般的な視点としては、こちらのZOZOオリジナルのジーンズの方がシルエットも自然ですし、好印象だと思います。
ここでの学びは、ZOZOのオリジナルはごく一部のファッションが強烈に好きな人にはやや物足りない仕上がりかもしれないということ。なぜなら、ファッション好きであれば、自分の好きなフィット感、生地感というのがある程度明確なので、どうしてもそこと比較してしまうんですね。
そりゃ、2〜3万円もするジーンズと比べれば敵わないのは当然ですよね。でもこの商品の本質はそこじゃないんだと僕は思います。一部のファッションマニアを満足させるための商品ではなくて、今までファッションにあまり興味が持てなかった層の方に、こういう新しい体験を提供したいんじゃないかなと僕は想像しています。
その点では非常に満足度は高いです。僕のお客さんにも積極的におすすめできる仕上がりです。この価格帯で、こんなまったく別次元の提案をしてしまうのが、ZOZOさんの凄みだろうなと感じています。
ZOZOのオリジナルTシャツ
続いてTシャツです。これも完全に好みの問題ですが、僕にはややシルエットが大きく感じられました。僕が部屋着として愛用しているユニクロのスーピマコットンクルーネックTシャツと比べると、着丈が+2センチ、裾幅が+1センチ、身幅はほぼ一緒といった数値でした。
これは見慣れているかどうかの問題も大きいですが、全体的にちょっと大きいかなと感じました。ZOZOオリジナルはセミオーダーのような感覚なので、これくらいのサイズに上がってくると、やや特別感が薄らいでしまうのかなと個人的には感じています。このサイズ感だったら次回からはユニクロで買いますね。少し惜しい感じがしています。
ZOZOさんの中での「Tシャツが格好良く見える黄金値」みたいなものがあって、それに当てはめたフィッティングなのかなと思います。最近のトレンドである「ややゆとりのあるフィッティング」も意識した上でのサイズ感なのかなと考えると、これで丁度いいのかもしれません。それにしてもちょっと特別感は薄かったかもしれませんね。
ちなみに客観的な視点が欲しいので、妻にも聞いてみましたが、「うん、いい感じだと思うよ」と言っていました。客観的に見れば、サイズ感もシルエットも素敵に見えるようですね。実はこの異性の視点が一番大切だとも感じています。自分の偏った感覚だけでジャッジするのはもったいないです。
総評
ということで、僕なりのZOZOオリジナルのレビューをしてみました。まったく忖度なしの本音を書きました。ZOZOさんもユニクロさんも僕はまったく繋がりがないので、思ったことをそのまま書けるのは良い点かもしれません。
繰り返しになりますが、ZOZOオリジナルは、僕のようなファッション好きの方にとってはやや物足りないものに感じられるかもしれません。それは当然です。もっと高価格帯の物との比較になれば、それは質感は敵わないのは当然です。しかもそれなりに服を経験していると、自分なりの好みが明確にあるので、どこかにしっくり来ない部分が出てくるのは当然です。
それはスーツをセミオーダーした時も同じです。「自分サイズ」に仕上がっているはずなのに、全然しっくり来ないことの方がかえって多いです。僕はスーツもたくさん作りましたが、僕なりの現在の結論は、吊るしのスーツを試着して、気に入った生地、気に入ったフィッティングのものを買うのが一番間違いない、というものです。
これはZOZOオリジナルにも言えることで、本当にファッションが好きな人であれば、とことん色々なものを試着して、ベストに感じる1枚を探し出すに越したことはないんですよね。こういう感覚の人はZOZOオジリナルに過剰な期待をすべきではないのかもしれません。
でも、僕らのような一部のファッション好きのための服なんて、そこら辺に溢れているわけです。僕らは勝手に好きな服を自分の足でとことん探せばいいわけです。それよりも、世の男性は僕のようにファッションにものすごく興味があるわけではないんですよね。
それよりも「ダサくない格好がしたい」「心地の良い服が着たい」「オーソドックスなものが欲しい」という欲求を持っている人の方が遥かに多いわけです。そういった欲求を満たしてくれる洋服やさんは実は少ないんですよね。身近なユニクロはそういった意味ではとんでもなく重要なブランドだと思います。
でもユニクロで特別感を得られるかというと、そんなことはまったくありませんよね。ZOZOのオリジナルは、その点、「自分だけのサイズ」を提供してくれるので、それなりに特別感が得られるものだと思います。そして何より、注文から実際の商品が届くまでの体験がオンリーワンで、非常にワクワクするものなんですね。
この一連の経験を買うだけでも、僕はこの金額は安すぎると思います。非常にワクワクしました。ファッションの未来を感じました。非常に価値のある商品&体験だと思います。
ZOZOオリジナル商品は、これまでファッションをあんまり楽しめなかった多くの方たちをワクワクさせてくれるものだと思います。サイズに悩みを抱える人たちへの最高の解決策でもあります。ファッションマニア向けじゃなくて、今までファッション業界がリーチできていなかった「ファッションにあまり興味がない層」への良いアプローチなんだと感じています。
その点は、僕もまったく同じ思いで活動しています。ファッション好きの人はどんどん自分で楽しめばいい。そうじゃない人に、少しでもファッションを楽しむための術を伝えられる存在でありたいと思っています。
ぜひみなさんもZOZOSUITと、ZOZOのオリジナルのジーンズとTシャツ、実際に試してみてください。「商品そのもの」よりも、体験自体に最大の価値があるということを、きっと実感できるはずですよ。
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