みなさん、こんにちは!
スタイリストの大山シュンです。
先日、大学で講演をしてきました。「就活におけるスーツの着こなし講座」ということで、1時間ほどお話させていただきました。
正直、就活生のスーツの着こなしなんて、話そうと思えば15分もあれば十分だと思います。
無難にいくなら黒のスーツ、シャツはレギュラーカラーの白、ネクタイはブルー系のレジメンタル、靴はストレートチップで十分です。お店はスーツカンパニーやスーツセレクトを選べばOK。あとは店員さんの力を借りながら、サイズ感に注意を払いながら丁寧に選べばどう考えても失敗はしません。
スタイリストの僕が就活のスーツスタイルについてお話する意味って本当にあるのだろうかと思ったんですよね。だってこのような情報はネットにいくらでも転がっているじゃないですか。わざわざ貴重な時間を使って講義に出なくても、スマホで検索すればいくらだって情報は手に入るわけです。
でも、多くの人はスマホで検索しても、「実際に行動はしない」んですよね。僕も同じです。
最近身体が固いな〜と思っていた時に、たまたまスマホで「簡単にストレッチできる方法」という記事を見かけました。もちろん軽く目を通したわけですが、「へ〜、なるほどね」と言って、すぐに他の記事を読んでいました。そのまま僕はストレッチを実際にすることなく、今こうして記事を書いています。
つまり、情報として「知っている」という状態にはなったけど、まったく行動していませんので、僕の身体は1ミリも柔らかくなっていないわけですよね。これと同じようなことが日常にはゴマンと溢れていると思っています。知っているけど、動かない。これって、あんまり意味がないですよね。
講義に出てくれた学生さんも、僕の話を聞いて、「へ〜なるほどね」と思っただけでは何も変わりませんよね。ただ知っているだけには大して価値はありませんから。どうしたら「実行してもらえるのか」を僕はずっと考えていました。
そもそもなぜ就活でスーツスタイルが大切なのか?
僕は講義の中で、「なぜ就活でスーツスタイルを磨くことが大切なのか」についてほとんどの時間お話をしました。この理由をしっかりと理解すれば、「そっか、それじゃスーツちゃんと買った方がコスパがいいよね」と思ってもらえるんじゃないかと考えたからです。
僕は就活って、第一印象の連続だと思っています。まずは履歴書という1枚の書類で、採用担当者とのあいだに第一印象が発生します。もちろん学歴も大事だし、PRポイントも重要だけども、僕はたった1枚の写真が持つ印象に、ひとは大きく左右されてしまうと思っています。
僕は会社員時代、採用に携わっていた時期もありますので尚更そのように思います。たくさんの履歴書を見ていると、やっぱり写真1枚にもたくさんの情報が詰まっていることに気づくようになりました。
ヘアスタイルも乱れていて、スーツの着こなしもイマイチ、写真は駅前の証明写真機で撮っているから表情も微妙。こういう履歴書だと、まったく仕事ができそうに感じませんし、なんとなく意欲が低いように見えてしまうんですね。第一印象としては正直、あんまりよくありません。
それだけでボツにしてしまう採用担当者がいても何も不思議ではありません。就活に本気で挑んでいる人もたくさんいるわけです。わざわざ高いフォトスタジオに足を運んで、バッチリ写真を撮ってくる人もいます。そういう自分の見せ方にも力を注げる人には、それなりの期待を持つのも不思議ではありませんよね。
僕は自分が学生の時、とことん証明写真にはケチりました。駅前の証明写真機で撮ったもので履歴書を量産。そして書類審査の段階で落ちまくりました。スーツの着こなしもぶっ飛んでいて、当時おしゃれな人がこぞってきていた超細身のスーツに、超細いネクタイを締めて就活していました。当然結果は落ちまくりです(笑) 僕が採用担当者だったら間違いなく落としますよ、僕自身を。
つまり第一印象が最悪だったんですよね。今から就活やるとしたら、そんな格好は絶対にしないですよね。じゃどんな格好をするのかというと・・・
僕が今から就活をするとしたら・・・
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就活ではほとんどの男性は黒のスーツを着ます。まるでお葬式かのような不思議なスーツをみなさん着ているわけです。それはそれで就活の基本的なカラーがこれなんですから別に構いませんが、僕が今から就活をするとしたら黒スーツは着ないです。お金がもったいないですから。
濃い目のネイビーのスーツを着ると思います。だって就職した後にもネイビースーツだったら着れますよね。ブラックスーツはお葬式しか着ないので、20代ではほぼ出番はありません。結婚式だってダークネイビーのスーツで十分参列できますから、ネイビースーツの方が断然コスパがいいです。
そして採用担当者の中には、「ブラックスーツじゃないからこの人は不採用!」なんていうひとはゼロじゃないけどほとんどいないと思います。むしろ、ネイビースーツを選ぶことで、「この人はスーツの基本をしっかりと理解しているんだな〜」と、好印象を持ってくれる人の方が多いです。実際、少しだけ爽やかに見えますし、多少の差別化もできます。それでいて別にぶっ飛んだカラーでもないので浮きすぎることもありませんし。
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シャツも一般的な就活生はみんなレギュラーカラーの退屈なものを着ています。僕ならセミワイドを選びます。こっちの方がネクタイの収まりもキレイですし、就職後も使えるからです。人との差別化にもなるけど、決して出過ぎた印象にもなりません。
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ネクタイはブルー系のレジメンタルをすると思いますが、あんまり安すぎるものは立体感が出にくいので、4000円くらいのものを買うかなと思います。あとはしっかりと隙間なくネクタイを締める。それだけでも十分ですよね。タイステーションのこんなネクタイなんて素敵だな〜と思います。
そしてヘアスタイルにはしっかりと気を配ります。短髪にして額を見せるだろうなと。それが最も清潔感があって、好印象なスタイルだからです。もちろん証明写真にも投資します。ちゃんとフォトスタジオに行って、良い表情を引き出してもらいながら、ベストな写真を仕上げるだろうなと思います。
そうれば印象面で決してマイナス点を取ることはありませんよね。奇抜さはないけど、清潔感があって、多少の差別化もできている。僕が考える就活対策はこんな感じです。
面接の短時間で「内面性」はなかなか伝わりにくい
そもそも面接という限られた時間で、自分の人間性なんてそんなに伝わらないものだと僕は思っています。内面が大切なのは言うまでもないですが、人間はパッと見の第一印象にかなりの影響を受けてしまうものです。
そしてその第一印象に足を引っ張られてしまうと、面接の短い時間ではなかなか挽回が難しい。だから僕は第一印象って結構大事だと思っています。そこに思い切って、お金と労力を集中できるかどうかは超大事ですよね。お金は掛かったとしても、かつての僕のように就活で落ちまくるリスクと比べれば断然安いもんです。
希望の会社に就職できるのと、まったく意図していなかった会社しか受からないのでは、生涯年収も変わるかもしれませんし、新卒は人生で一度しかないものですから、そこでベストを尽くせるかどうかはそれなりに重要です。僕ももっとちゃんとやればよかったと、ここだけは結構後悔しています。
社会人生活も初対面の連続である
これは何も就活生だけに言えることではなくて、僕たち社会人もまったく同じです。日々、仕事をしていればたくさんの初対面の連続です。その中で、清潔感があって、着こなしがしっかりとしているだけでも印象は良くなります。そっちの方がビジネスも円滑に進めやすいのは当然です。
僕も色々な業界の方と一緒に仕事をしますが、いわゆる「仕事ができる会社員」の方は、着こなしのセンスが良い人が多いです。見るからに仕事ができそうなんですよね。そういったところにも気を配れるかどうかも、現代においては結構大切だと思うんですよね。
僕も会社員時代、就活でのぶっ飛んだスーツスタイルの反省も含めて、ベーシックで清潔感のあるスーツスタイルを常に意識していました。そのお陰もあり、大して仕事ができない割には、会社から期待を掛けてもらうことも多かったです。
上司を含めて、「こいつは仕事できそうだな」と思わせることに成功していたんだと思います。本当は全然仕事できないので、大きな役割を与えられて、いつもハラハラしながら仕事をしていました。着こなしで背伸びをして、そこに自分を追いつかせる、ということの繰り返しで、成長の速度は大分早まったと思います。
「良さそうに見えるもの」が売れる
かならずしも、「良い商品が売れる」わけではなくて、「良さそうに見えるものが売れる」なんてことはよく言われますよね。見せ方の1つで、まったく伝わり方は変わるんですよね。だからこそ僕らが日々どんな服を着るのかは大切なのだと思います。
就活も転職活動も日々の僕たちのビジネスも、プライベートの場面も。好印象が武器になるということを、みなさんにもぜひ理解していただけたら嬉しいなと思ってこの記事を書きました。
就活は社会人としての入り口です。この場面で自分の見せ方に真剣になれる人は、きっと社会人になっても活躍できると思います。だからこそぜひ就活での着こなしを磨いていただきたいと思っています。
この記事、大学4年生の頃の自分に読ませたいですね( 苦笑) 既に社会人のみなさんも、「自分の見せ方」にぜひ真剣になってみてはいかがでしょうか。
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