「どんな男性のファッションに好感が持てますか?」 このように女性に問いかけると、ほぼ間違いなく返ってくる答えの1つに、「清潔感のあるファッション」というものがあります。女性のみなさんは頷いているはずですし、男性の方も一度は耳にしたことがあるかと思います。
「清潔感のあるファッション」って、確かに分かるような気もしますが、具体的に考えてみると、案外ナゾに包まれている部分も多いかと思います。毎日お風呂にも入っているし、衣服もちゃんと洗濯している。これは清潔感のあるファッションではないの? と疑問に思う男性も多いかと思います。
実は「清潔感のあるファッション」というのは、あいまいな定義であって、よく理解している人は少ないです。こちらの記事では、女性がよく言う「清潔感のあるファッション」について、具体的に考えてみたいと思います。
最低限のケアはしっかり行うべき
定期的に洗濯をしていて、お風呂にもちゃんと入っている。変なニオイもしないはず。これは清潔感のあるファッションじゃないんですか? このように女性に尋ねると、「う〜ん、そういうことじゃないんですよね」と返ってきます。その割に具体的なヒントが出てこないことも少なくありません。
その辺りをスタイリスト目線から解説すると、洗濯だったり、ニオイの管理というのは「標準装備」であって、それがプラスポイントになることはありません。むしろこの項目さえも守れていない場合は論外。あまり良い印象は持たれるはずがありません。
大人の男性として、ある程度は自分自身と洋服のケアには気を配る必要があります。30歳を過ぎれば、10代の人たちから見れば、とっくにおじさんなわけです。自分がどんなに若いと思っていても、体型も変わるし、肌の質感、髪の毛のボリュームも変わります。全てが10代・20代の頃とは違います。
それなりに意識しないと、キレイさは保つことができません。もちろん人の目なんて一切気にせずに、「我が道を堂々と行く!」というのも悪くないと思いますが、人からの印象をある程度意識するのであれば、身だしなみへのヘアは必要不可欠です。
清潔感のあるファッションの定義とは?
ここから具体的に「清潔感のあるファッション」について考えていきたいと思います。どんなファッションに清潔さを感じるかというと、僕は以下の4つの要素が大きく関係すると思っています。
①服のへたれ具合
②色合い
③デザインのシンプルさ
④服の「カジュアルさ」と「きれいめ」要素
それぞれ具体的に解説していきたいと思います。
①服のへたれ具合
洗濯してあることや、衣服からヘンなニオイがしないことは清潔感の必須項目ということをお伝えしました。日本で売られている服はとても丈夫にできていますので、着ようと思えば10年くらい平気で着れてしまいます。
ただ、「着れる」と「清潔感がある」というのはまったく別物です。何度も着て、何度も洗濯をすれば、どんな服でも絶対にヘタれてくるわけです。経年変化は免れません。これは服の値段に左右されるものではありません。高い服だから長持ちするというようなことは残念ながらありません。むしろ逆のことも多いです。
高級な服ほど、素材や作りが繊細に出来ていますので、意外にヘタれるのが早いものです。良い服ほど手作業の分量が増えるので、クリーニングに出すのもちょっとドキドキします。服の値段と丈夫さというのは、残念ながら比例はしません。
服は3年着ればかなりヘタリます。5年経てばもうかなり厳しいと思った方が良いです。それくらい経つと、服から「古さ」がなんとなく漂うようになります。これは清潔さとは対極にあるものですので、注意する必要があります。
服にも消費期限があります。素敵に着られる時期は3年が1つの区切りと考えてみてください。ヘビーローテーションしたものだと3年も持ちません。1年でクタクタになります。清潔感を意識するなら、古い服はどんどん手放しましょう。
②色合い
続いて意識したいのが「色合い」です。清潔感の漂う色と、清潔に見えない色というのは確かに存在します。清潔に見えない色というのは例えば以下の通りです。
■ベージュ
■ライトグレー
■アイボリー
もちろん使い方、合わせ方次第なのですが、これらの色の共通項は「ぼんやりとした色」だということです。黒のように濃くもなく、白のようにハッキリと明るくもなく、中間色なんですね。街で見かける「いまいちなファッションのおじさん」を観察すると、このようなぼんやりと色の服を着ている人が圧倒的に多いのです。
たとえばベージュやアイボリーのチノパン。これは残念ながら素敵に見えません。それなりに意図を持って履かない限りは使いこなせません。あとはグレーのパーカーですね。これも非常に難しい。量販店で売っているパーカーをゆったりと着ていると、まったく素敵には見えません。部屋着に見えます。
ベージュのチノパンもグレーのパーカーも、しっかりとしたものを選んで、ちゃんとコーディネートすれば素敵に見えます。でも安いものを適当に買って、よく考えずに着てしまえば一気に野暮ったく見え、清潔感が損なわれてしまいます。これらは膨張色でもあるので、着ていると太って見えやすいというのも大きなネックの1つです。
深く考えずに色を選ぶのであえれば、ネイビーや深めのグレー、ブラックなどの深めの色、もしくはホワイトのようにパキッと明るい色を使った方が着こなしに清潔感が漂います。僕がベージュのチノパンよりもホワイトジーンズをおすすめするのはこのような理由があるのです。
色で清潔感を意識する。ぜひこれも理解しておいてください。
③デザインのシンプルさ
服のデザインも実は清潔感と大きな関係性があります。ごちゃごちゃとした柄物よりも、シンプルな無地の服の方が「視覚的な引っ掛かり」が少ないため、清潔感が漂います。たとえばTシャツ。ごちゃごちゃデザインの入ったプリントTシャツよりも、シンプルな無地Tシャツの方が確実に清潔感が漂います。
シャツにしてもそうです。ボタンが黒かったり、ステッチに色が付いていたり、「盛ったシャツ」よりも、これといって特徴のないシンプルなシャツの方が大人っぽく、清潔感が漂います。
女性がよく言う「清潔感のあるファッション」とセットで出てくるのが、「シンプルなファッションが好き」という主張です。ファッションでゴテゴテとひねくり回すのではなく、シンプルなデザインのものを選ぶことで、視覚的にもすっきりとするので、自ずと清潔感が漂うようになります。
チェック柄のシャツ、柄物のTシャツ、ゴテゴテ盛ったシャツ。これらは思い切って手放して、無地の服を改めてコツコツと集めていきましょう。無地のシンプルなTシャツに5000円くらい投資してみるのも僕は良い選択だと思います。シンプルさも清潔感に大きく関わることを意識してみてください。
④服の「カジュアルさ」と「きれいめ」要素
そして最後の要素は「きれいさ」と「カジュアルさ」のバランスです。メンズファッションにおける様々なアイテムには、「きれいめ」と「カジュアル」といった大きな2つの軸に振り分けることができます。たとえば下の表を参考にしてください。
【カジュアルなアイテム】
■Tシャツ
■ダウン
■ジーンズ
■チノパン
■パーカー
■スウェット
■スニーカー
■サンダル
【きれいめなアイテム】
■ジャケット
■チェスターコート
■シャツ
■スラックス
■ホワイトジーンズ
■ニット
■革靴
こんな感じです。【カジュアルなアイテム】と【きれいめなアイテム】、どちらに清潔感が漂うのかというのは、言うまでもありません。断然「きれいめなアイテム」です。大人の男性の休日着を見ると、断然カジュアルに寄ってしまっている人が多いのです。特にファッションが苦手な人には超カジュアルな人が多いですね。
Tシャツにパーカーを着てチノパンにスニーカー。こうなると全てのアイテムがカジュアルであり、大人っぽい要素がまったくありません。そうなると、清潔感が漂わなくなります。全身をきれいめアイテムだけで構成するのも「キザ」に見えるのでNGですが、着こなしの中に数点「きれいめなアイテム」を取り入れることで、清潔感が漂うようになります。
大人の男性にはカジュアル過ぎるファッションは似合いません。無理して若作りしているように見えてしまうからです。歳を重ねたからこそ、大人っぽい服、きれいめな要素を持つ服を取り入れた方が自然であり、清潔に見えます。ぜひ「きれいさの漂う服」を少しずつ買い揃えてみてください。
まとめ
以上が大人の男性が清潔に見せるために必要な項目です。定義さえ明確になれば、あとは実際にトライするだけです。ちょっとした心がけ次第で、清潔感は意外とすぐに漂うようになりますので、ぜひ積極的に試してみてください。
それにしても女性の視点は、男性にとって最も重要な指標になるなぁ〜と改めて思います。清潔感のあるシンプルなファッションは、誰が見ても高感度が高いです。独りよがりのファッションに陥る前に、ぜひご自身のファッションを振り返ってみてください。
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