肩書って、おもしろいものです。僕は今、「スタイリスト」とか、「ファッションスタイリスト」という肩書を使うことが多いですが、1年前までは「パーソナルスタイリスト」という言葉を使っていました。今でも人からは「パーソナルスタイリストですよね」と呼ばれたりもします。
ちなみに、パーソナルスタイリストには協会が存在するのですが、僕はその協会に所属しているわけではありません。元々、誰かに師事していたわけではなく、ある日突然この仕事を始めてしまいました。ですので、僕がパーソナルスタイリストと名乗るのはどうなのかなと思って、1年前からこの肩書を名乗るのは辞めました。
今では自分の肩書は、「分かりやすければなんでもいい」というスタンスです。どのように呼ばれてもあんまり気になりません。その人が分かりやすければなんでもいいです。
ただ、僕の仕事の幅も年々広くなっているので、自分でも肩書をどう表現すべきなのかはちょっと悩みどころでもあります。スタイリストとしての活動よりも、その他の仕事の割合が増えてきている今日このごろです。僕の仕事の柱はこの3つです。
■個人向けスタイリスト
■オンラインスクールの主宰
■本の執筆
こんな感じで色々な仕事をしています。このブログを読んでいる方も、僕が一体何者で、何をして生計を立てているのかきっと謎だと思いますので、今回はちょっとお話をしてみたいと思います。
個人向けスタイリストとしての側面
僕のメインの仕事は、独立した時からずっと変わらず、「個人向けのスタイリスト」です。この仕事は、お客さんと一緒に買い物に回って、短期間でおしゃれになってもらうためのサービスです。お客さんからご依頼をいただいたら、まずはメールでアンケートを送ります。どんな服が好きなのか、ふだんはどこで買い物をしているのか、今はどんな服を持っているのかなど、写真も送っていただきながら、お会いするまでにイメージを膨らませておきます。
スタイリング当日は、カフェで1時間くらいお話をしながら、今後のファッションの方向性についてまずはお話をしていきます。ここで大切なのは、「今後、誰にどんな印象を持ってもらいたいのか」を明らかにすることです。
たとえば、「ビジネスの場面でセンスの良さを感じてもらい、他社との違いを明確にしたい」とか、「そろそろファッションを楽しむ日々を過ごしたい」、単純に「もっとモテたい」とか、人によって様々な目的があると思います。
僕が考える「格好いいファッション」というテンプレートにお客さんを押し込めるのではなく、ご本人のこれからの方向性を実現できるようなファッションを、オーダーメードで作っていくような感じです。お店は大体3〜4店舗くらいを周りながら、かなりの服の量を買ってもらいます。
これ、引かれるかもしれませんが、1回あたりの買い物金額は平均すると大体30万円〜50万円くらいです。初対面の相手と一緒に買い物に出かけて、これだけの金額を買ってもらうというのは、こうやって文字にすると結構たいへんなことをしているなと実感します。中には1回の買い物で100万円を越えることもあります。
というのも、僕がマンツーマンでスタイリングを提供するお客さんというのは、経営者の方や弁護士、コンサルタント、医師の方など、ものすごーくお仕事が忙しい方です。そしてご自身が「顔」であり、仕事を行う上で、ある程度の見栄えの良さも必要になる方ばかりです。
このような方々にとってファッションは「趣味」としての領域ではなく、「仕事」としての領域になります。だからこそプロに依頼して、なるべく短期間で一気にファッションの問題を解決したいという方が多いのです。最初からファッション好きの人はほとんどいません。後からだんだん好きになっていくのですが(笑)
この個別スタイリングは1回だけお買い物にご一緒させていただいても、やっぱり元に戻ってしまうことも多いので、1年とか2年とか、なるべく長いスパンでお付き合いさせて頂くようにしています。年に2回だけお買い物に同行させてもらって、一気に服を買い揃える。そんな仕事をしています。これが僕の活動のメインです。うちの収益のおよそ半分がこのスタイリング事業です。
オンラインファッションスクールの運営
そして、もうひとつの柱はオンラインファッションスクールの運営です。一昨年からスタートした「メンズファッションスクール」は、大人の男性がファッションの基本を学べる、月額制のファッション学習サイトです。全国どこに住んでいても、気軽にファッションについて学べる場所を作りたいと思って、2年前からスタートしました。お陰様で、今までに1,000名を越える方に利用してもらっています。
なぜこんなことをしているのかというと、僕は元々、「ファッションに悩みを持つ多くの男性をもっとおしゃれにしたい」そう思ってスタイリストの仕事を始めました。でも実際に個人向けのスタイリングをしていると、1日1件が限界です。このペースだとどんなに頑張っても、月に30人しかおしゃれにできないんですよね。しかもそんなにたくさんは働けないし、そんなにたくさんのお客さんを集める能力もありません(笑)
そもそも、マンツーマンでスタイリングをしなくちゃいけない人って、僕はそんなに多くはないんじゃないかなと思います。だって、買い物の度に毎回スタイリストが付きそうなんて、どう考えても自然じゃないですよね。やっぱり最終的には自分で服を選べるようになることの方が大切だと思います。一般の方であれば特に。
スタイリストが一緒に買い物に出かけて服を選ぶというのは、経営者の方など、ビジネスでの目的の人たちに僕は絞り込みました。一方で一般の方には、自分自身で服を選べるようになってもらいたい。そのためには「ファッションの基本知識」が必要だと考えました。だから大人の男性が気軽にファッションを学べる場所を作りました。
これだったら、多くの方に僕の考える「おしゃれの方程式」をお伝えすることができます。実はこういった試みは随分前から行っていて、7年前からDVDを自作で作って販売したり、サイト内でコンテンツを作ったり、色々と試行錯誤を続けてきました。多くのファッションに悩む大人の男性におしゃれになってもらいたいというのは、なんとしても譲れない部分です。
ファッション雑誌は、良くも悪くも「ファッション好きの人のための読み物」です。ファッションが苦手な人が読んでもチンプンカンプンです。おしゃれを1から学ぶための場所を作って、多くの大人の男性におしゃれを楽しんでもらいたいというのが僕の一番のミッションだと思っています。今後もこのメンズファッションスクールにどんどん力を注いでいくつもりです。
本の執筆
そして3つ目が本の執筆です。これは独立当初からずっと目標としてきたことです。「多くの男性をおしゃれにしたい」という目的を、一気に叶えることができるのが出版だからです。本って、やっぱりすごいもので、初版で5,000部くらい作るわけですよね。5,000人に僕の考える「おしゃれの方程式」を届けることができるというのは、これはやっぱりこれはすごいパワーです。
今まで4冊の本に携わり、今では合計で6万部の本が世に出ています。自分でもいまいちワケが分からないのですが、これは本当にすごいことで、やっぱり本だからこそ実現できる規模感なのだなと思っています。
僕は本を作るからには絶対に売りたいと思っています。そんなに本を書くチャンスなんて巡ってこないわけですし、せっかくだったら一人でも多くの人におしゃれになってもらいたいと思っています。そのためには「ただ良い本を作る」というだけではダメで、売れる本にしなくちゃだめです。印税は確かにありがたいけど、別に印税をもらわなくちゃ生きていけないわけではないので、それよりも単純に多くの人におしゃれのきっかけを届けたいんですよね。だから売れることは僕にとってはとても大切です。
10月に新しく出版する本は「ユニクロ9割でおしゃれになる」をテーマに掲げました。これも僕のアイディアです。実は本を一番最初に出版する時に、ユニクロをテーマにして書いてくださいとお願いされたことがあります。その時は、人生で一度キリしかない初めての出版をユニクロだけの内容にしたくないと思ってお断りしました。
でも今は違います。前著の「最強の服選び」で、僕がお伝えしたかった「服選びの方程式」はある程度表現できたと思います。今だったらユニクロに特化して、もっと多くの人に、気軽にファッションを楽しむきっかけをお届けするのも一つの役割なのかなと思っています。
といっても、今回でもう完全にネタ切れです(笑) もうない。書きたいことがない。書きたいテーマもない。毎回原稿を提出する度に思います。でも半年くらい経つとまた新しいアイディアが浮かんでくるのですが(笑) 今は色々と出版のオファーを頂くのですが、同じような本を作ってもまったくモチベーションが上がらないのでお断りしています。
やっぱりどうせ書くのであれば、今までとは違った切り口とテーマで、自分自身も楽しみながら書きたいです。そして多くの人に届けたい。理想は年に1冊くらいのペースで、みなさんに喜んでもらえるような本を作っていきたいなと思っていますが、こればっかりは流れに身を委ねています。
せっかく独立したから、人と違うことを仕掛け続けたい
こんな形で僕は日々、仕事をしています。たまに「従業員は何名いるのですか?」と聞かれますが、無論、ひとりでやっております。フリーランスってやつですね。これからもきっと社員を入れることなく、プロジェクトごとにチームを作って、仕事をしていくような形にすると思います。
なるべく身軽に、新しいことを仕掛け続けたいからです。飽きっぽい性格なので(笑) 社員を路頭に迷わせるわけにはいかないので、フリーランスが気楽で僕には合っています。
これから僕のようにスタイリストとして独立をしたいという人も多いと思いますが、もうこの業界は戦国時代です。パーソナルスタイリストだったり、パーソナルカラーの人だっ
たり、イメージコンサルタントだったり、骨格診断の人だったり、そういう「服の専門家」で溢れかえっています。
でもこの業界で生計を立てていくことは結構難易度が高いわけです。僕が独立してから4年間苦戦し続けて、彼女にも振られて、一文無し、軽く借金を経験したことから分かるように。ラクじゃないですよ。楽しいのは確かですが。
僕もこのような世界で活動をしているわけですが、なるべく人とは同じようなことをしないように意識しています。せっかく独立したのに、人と同じようなことしても面白くないからです。自分らしい形で、しっかりとお客さんの心に響くような活動ができればいいなと、日々危機感と焦りの気持ちを隠しながら活動しています。
余裕なんてありません。だから日々、考えまくっています。「ファッションで悩む多くの男性に素敵になってもらいたい」この軸はぶらさずに、どんどん新しい仕掛けをしていきたいなと思っています。
スタイリスト大山シュンのコンテンツ一覧
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amzn.to/2qKULez
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