家族と富士サファリパークへ行った帰りに、せっかくなので御殿場のアウトレットモールにも足を伸ばしてみました。はじめに断っておくと、僕はアウトレットが好きで、年に1度は必ず訪れます。全国各地のアウトレットにも割と訪れている方だと思います。

アウトレットに行って、ゆっくりお店を回ったり、昼ごはんやデザートを食べながら満喫する1日はとても楽しいものですよね。今回も3時間ほどアウトレットに滞在しましたが、実際に買ったものと言えば、NIKEの子供用スニーカーと、プチバトーの子供服だけでした。僕や妻は一切買い物はせず、目で見て楽しむだけでした。

これは今回だけに限ったことではなく、僕はここのところずーっとそうです。10年前からアウトレットで服を買った記憶はほとんどありません。NIKEでスポーツウェアを買ったり、子供服を買うくらいですかね。それでも1つの体験として「アウトレットに行く」という行事を毎回楽しみにしています。じゃ、なぜなにも買わないのかというと・・・

「安い」という魔物との戦い

単純に欲しいものがないからです。僕たちはバーゲンセールであったり、アウトレットであったり「定価からの値下げ」にものすごく魅力を感じやすいものです。それは僕も同じです。昨日もマルタン・マルジェラやサンローランで大きく心を揺さぶれましたが、結局手ぶらで帰りました。

「安い」ってありがたいですけど、結局着なくなってしまえば、かえって高くつくなと感じています。僕も20代中頃までは、バーゲンセールやアウトレットなどの値引きした商品をとにかく買い漁っていました。お正月に行列に並んだことも少なくありません。「安い」という魔物に完全に支配されていました。

でもある時、気づいたんですよね。セールで買ったものはクローゼットの中に長く残らないということに。結局は「安い」ということが一番の購買目的だったので、選び方の基準がかなり甘くなっているんですよね。定価だったら絶対に買わないだろうものを「値下げ率」に惹かれて買ってしまう。そうなると、定価で覚悟を決めて買ったものと比べると、やっぱり気持ちの入り方も大きく違うので、結局着なくなってしまいます。

これって、明らかに損ですよね。着ない服を買うこと以上の損はありません。どんなに安くなっていようとも。僕は「安く買った」ということの満足感だけで服を着ることはありません。着ていて気分が良いかどうかで、その日に何を着るのかを決めます。気持ちが上がらなきゃまったく意味がありません。

そんなわけで、僕は20代後半からは、バーゲンセールに行っても、アウトレットに行っても、必ず定価を見るようにします。定価を見て、それでも買いたいと思えるのかを真剣に考えるわけです。その結果、10年近くアウトレットに通ったのに、買った服はほぼゼロ。定価でも買いたい服はありませんでした。

なぜアウトレットに買うべき服がほとんどないのか？

冷静に考えると、アウトレットに並んでいる服というのは「売れ残りモノ」です。バーゲンセールでも売れなかったものがアウトレットに並んでいるわけです。僕は常々、お店の中で選ぶべきものは3割以下、ということをお伝えしています。定価で並んでいるものの中でも、相当厳選しながら買い物をしないと、本当に使い勝手の良い服なんて揃いません。

それなのに、バーゲンになってもまだ売れ残り、その先のアウトレットで売られているという時点で、素敵な服なんてほとんど残っていませんよね。それは当然です。だから安いわけですよね。

この大漁の売れ残りの中から、「自分にとって本当に必要な服」を冷静に掘り当てることができるような人って、本当に稀有な存在だと思います。僕は無理です。10年間で1着もなかったんですから。今後もきっとそうそう見つからないはずです。それが分かっていて探すのは非常に楽しいワケなのですが（笑）

僕のお客さんにも、アウトレットが好きな人はたくさんいます。そして大量に買い込んでくるわけです。価格の魅力だけで決断をしてしまうので。そんな時にはしつこくお伝えするようにしています。「しばらくアウトレットやセールは禁止です。定価で買ってください」と。

確かに服にはたくさんの利幅が乗っています。だから定価で買うのは馬鹿らしいという意見も分からなくはありません。でも僕は一銭でも得がしたいから服を買うんじゃありません。日々心地よく、そして自信を持って過ごすために服を買っているんです。それに損も得もありませんよね。気持ちいいかどうかが一番のポイントなわけです。

一円でも安い方が気持ちがいいという価値観であれば、それは尊重すべきです。でもファッションを楽しみたいのであれば、安くなったということは得でもなんでもありません。

僕はそんなにたくさんの服は持ちたくありません。毎朝服に悩むのもめんどくさいので。少数精鋭の気に入った服があればOKです。少数精鋭の気持ちが上がる服にバーゲンセールの服やアウトレットの服なんて入る余地はないと思っています。

みなさんもよく考えてください。安く手に入った服をただ楽しみたいだけなのか。ファッションを心から楽しみたいのか。僕は定価で服を買いたいです。セールでごちゃごちゃした店内で買うよりも満足感も高いからです。みなさんにも長期的な視点で「得な買い物ってなんなのか？」を改めて考えてもらいたいな〜と思っています。

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